スマイルドーナッツの雑記

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神秘体験のメカニズム①

先に私の立場をお話ししておくと、神秘体験について肯定派ではありません。

基本的に神秘体験は、幻覚・幻聴のように何らかのメカニズムで説明できます。

まずは、幻覚・幻聴を伴う代表的な病気である、統合失調症を例に挙げて、説明します。

 

▪️統合失調症の幻覚・幻聴

統合失調症の症状は、陽性(幻覚・幻聴・妄想など)、陰性(うつなど)、認知機能障害に大別されます。

例えば、実際にあるはずのないものが現れるのは、幻覚という陽性症状の一種です。

▼仮説と治療薬

ドーパミンの過剰分泌や、セロトニンの不足が仮説として知られているため、MARTA( D2、5‐HT2、α1、H1受容体拮抗)やSDA(D2、5-HT2受容体拮抗)が使われています。

▼現在の研究

器質的な研究では分からなかったことが多いのに対して、現在の技術により分かることが増えてきました。

CT(Computed Tomography)やMRI(Magnetic Resonance Imaging)により、対照群に比べ

・脳室が拡大している

前頭葉、側頭葉が小さい

大脳辺縁系の海馬や扁桃体が左側で小さい

と指摘されました。

PET( Positron Emission Tomoaphy )、SPECT(Singlephoton Emission Omputed Tomraphy )、fMRI( functional Magnetic Resonance Imaging)

により、

前頭葉の機能が低下している

と指摘されました。

また、PETでは、D2受容体の分布も明らかになってきています。

認知機能は前頭葉や側頭葉を中心として行われるため、統合失調症の認知機能障害の理由として 『も 』考えられます。

▼受容体と仮説

ドパミン過剰により、幻覚がおこると言われていますが、

PETで統合失調症患者の脳内のドパミン受容体を測定しても、受容体が増えているとは限らないという話があります。

他のマイナーな仮説では、NMDA受容体阻害薬により、陽性・陰性症状と似た作用がおこることから、

逆説的にNMDA受容体が影響する説もあります。(NMDA受容体の仮説については、私も最近知ったので、どれくらいの支持があるかは分かりません。)

発達障害統合失調症

遺伝的要因として、通常の発祥率が1%に対して、親のどちらかが統合失調症の場合、発祥率は6%となります。

このことから考えても、発達障害のような先天的要因も考えられます。私は生まれつき幻覚を見ているので、あり得ない話ではないかもしれません。個人的には、脳の持続的脱抑制によるネットワークの過剰結合も怪しいと思ってますが、私の発言にはなんの信憑性もないので、研究者の人達を応援します。

 

▪️神秘体験と手品

次はマジシャンの視点から、神秘体験を説明します。

一般的に神秘体験のような超常現象は

超常現象(ちょうじょうげんしょう、英語 paranormal phenomena)とは、現在までの自然科学の知見では説明できない現象のことである。 

と定義されます。

神秘体験が、幻覚・幻聴だったというのは、よくある話です。しかし悪魔の証明のように神秘体験を否定するのは難しい。

しかし、基本的に世に憚る神秘体験は、

内的要因を幻覚・幻聴とするなら、

外的要因は手品のタネのような見も蓋もないものが大半だと考えます。

あるいは、今は自然科学で定義されていないだけで、神秘体験とは言えないものの可能性があります。

手品のような閉鎖的なジャンルを長くやっているという経験則から、超常現象の類が、閉鎖的なジャンルの方法論を使っている可能性が高い、と判断しています。

手品はその特性上、現象という『結果』のためなら、『過程』はなにをやっても問題ありません。そのため、不思議なことのほぼ全てが、手品で再現可能です。

CIAがユリゲラーを超能力者と定義したり、第一線の研究者がオウムに入信したりと、自分の専門外のジャンルのものをみると、簡単に騙されてしまう人はいます。

過去の記事で、このことについて詳しく解説したので、読んで頂けると幸いです。

▼記事リンク

「超能力の存在について、マジシャンの視点で語ります」

http://hrkbb914.hatenablog.com/entry/2019/02/08/003246

 

▪️神秘体験について知りたいのです

私は今のところ、一般的に定義される神秘体験に出会ったことは一度もありません。ただ、「あるといいな」とは思ってます。

その一方で、神秘体験について、自分の見たいように物事を解釈しません。それでもよいという方は、神秘体験を紹介して下さると嬉しいです。論争をしたいのではなく、純粋に、ただ知りたいのです。