スマイルドーナッツの雑記

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心理テクニックに騙されないための方法

 

心理における心とは大抵の場合、脳の抽象性を上げたものです。今回は脳と心を同じものと定義して、心理テクニックに騙されないための知識を紹介します。

心理テクニックといっても、ベースとなるのは心理学です。そこで心理学とはなんなのか、もの凄く単純にした心理学の歴史を見ながら、紐解いていきましょう。

 

▪️心理学の歴史概略

19世紀、ヴントは心を各構成要素に分解し、再構成することで、心の全体像を捉えることができると考えました。これを構成心理学とし、心理学が始まりました。

 

19世紀末からフロイトによる精神分析が始まります。フロイト無意識の概念を発見し、精神分析により神経症は無意識の抑圧が原因としました。しかし、どれだけの神経症の患者をみようと、フロイトの説もいわば個人の見解であり、実験的再現性にかけるものと言えます。

 

そこで産み出されたのが、行動主義(心理学)です。ワトソンやスキナーが有名ですね。心をブラックボックス化して、客観的に観察できる部分を重視します。しかし科学的ではありましたが、個人の心を定義したとは言えませんでした。

 

そこで情報概念の導入から、台頭したのが認知科学です。心を関数(ファンクション)として扱うことで、人の心のメカニズムを解明します。

▼行動主義

入力→ブラックボックス→出力

認知科学

入力→複雑性の高い関数→出力

これからの時代を担うAIには認知科学(心理学)が必要不可欠です。しかし、認知科学(心理学)はまだ発展途上と言えますし、人の心の複雑性は非常に高いため、現状で解明と言える段階までいくのは、難しいかもしれません。

このテーマついては別の記事で紹介しています→AIと人の心の関係性を考えるということ - スマイルドーナッツの雑記

 

▪️世の中に溢れる個人には無意味なもの

心理学の歴史を紐解くと、世の中に溢れてるけど個人には無意味なものが見えてきます。

例えば「~で私は成功しました。」というハウツー本や情報商材など。これらは行動主義時代より前でかつ再現性にかけるもので、参考にすらならないことは多いですね。そもそも成功者が成功したからといって、その方法論は自分には当てはまらない可能性もあります。

 

また「嫌われる勇気」で有名なアドラー心理学も、行動主義時代より前のもので、ある意味文学とも言えます。

アドラーの「劣等感が行動の源になる」という考え方は独特で、独特であることを知らずに、盲信するのは危険です。特に日本では、儒教的なムラ社会が影響してか『感情に目的があるから、~は甘え』や『承認欲求は捨てなければならない!』という系統の発言を耳にしたことがあります。

フロイトユングアドラーも有名だからと盲信してしまう方はいるかもしれませんが、現代との相性が悪いことはあります。

その情報は、自分達がより良く生きるために必要なものであるか、批判的な姿勢で吟味する必要があります。

 

▪️心理テクニック紹介

最後に、よく使われる心理テクニックを、箇条書きで紹介します。知っているだけで、社会に蔓延る心理テクニックに騙されにくくなります。

 

ピグマリオン効果

期待された通りの結果に引き寄せられる。対義語にゴーレム効果。

▼ハロー効果

よい特徴によって、他の評価もよくなる。

▼アンカリング効果

先に基準を与えられると、後の判断に影響を及ぼす。

バーナム効果

抽象性の高い記述を、自分だけに当てはまると認識する。

▼単純接触効果(ザイオンス効果)

接触回数が増えると、親近感や好意が増す。

カリギュラ効果

禁止されてるものほど(やって)見たくなる。

ウィンザー効果

三者からの情報の方が影響が大きくなる。

▼返報の法則

何かを受け取ったとき、くれた人にお返しをしたくなる。

▼プライミング効果

先行刺激処理によって、後の刺激処理に影響を及ぼす。

カクテルパーティー効果

自分に関係がある音声情報に注意が向く。

バンドワゴン効果

多数に支持されているものに心が引かれてしまう。対義語でアンダードッグ効果

▼テンション・リダクション

人は決断した後、無防備になる。

▼サブミナル効果

短時間の知覚刺激が、潜在意識に影響を及ぼす。

ツァイガルニック効果

未完の課題の方が想起されやすい。

 

心理学の歴史を紐解くとわかるように、人は心理テクニックどうりに動くとは限りません。しかし心理テクニックを予め知っておくことで、私たちは人生におけるQOLを上げることができると考えます。