スマイルドーナッツの雑記

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分かりやすい話で、分かった気がしても、分かっているとは言えないことがある

分かりやすい話で分かった気がしても、分かっているとは言えないことがあります。

一昔前で言えば2chの三行文化、今で言えばTwitterのつぶやきのように、抽象化された文章 だけ しか読めないのは非常に危険です。

さて、私は実年齢のわりに、インターネットの世界では古参なのですが、過去のインターネットとは在り方が大きく変わってきていることを感じます。

 

特に注目したいのが、検索エンジンの尖鋭化ですGoogleを筆頭に単純な検索履歴や、ブラックボックス化されたテクノロジーによって、個人に最適化された検索結果を表示できるようになりました。

これは個人が、見たくないものを見なくてもよくなったとも言えます。自分の見たいものだけを見る世界は一見よいですが、視野が狭まり情報を取捨選択する能力が下がります。ますます、ポピュ(ラ)リズム(mass opportunism)に傾いたような大衆迎合が加速され、危険だと考えます。

 

▪️処理流暢性(processing fluency)について

処理流暢性とは、分かりやすいもの=真実だととらえてしまうという認知メカニズムです。

最大の問題点は、対象の内容と無関係の、流暢性の高低によってバイアスがかかることです。高度に文明が発達した現代では、インテリジェンス(加工された情報)を吟味する必要があります。

 

▪️メディアと処理流暢性(processing fluency)

マスメディアは反権力の象徴というのは建前で、実際には処理流暢性を高めて、権力に洗脳される人間を作り出してしまうことがあります。洗脳のメカニズムについては以下の記事で解説しています。

カルトによって生じるテロリズムの思想は、便宜上、許してはいけない - スマイルドーナッツの雑記

 

トランプ大統領が、小学生でも分かるような簡単な言葉を使い、ラストベルト(米中西部から北東部にかけての主要産業が衰退した地域)の労働者から熱狂的な支持を得たのは、この認知メカニズムも関係していると考えられています。

私は日本の政治について、意図的にお話ししていません。それでも、大衆側も盲信している状態に陥っていないか、批判的に吟味する必要があると主張します。

 

▪️再帰性(reflexivity)の増大を是とすること

社会のネタバラシによって、アンソニーギデンズが主張する、社会的再帰性を増大させる事を是としたい。

近代以前は宗教的な神や儀式の時代でしたが、近代前期では実存主義に代表されるように理性の時代となりました。

近代後期では再帰性が強まりましたが、厳密に捉えると情報社会においては、上記で解説したようにインターネットが視野を狭めて、再帰性を低下させる方向に動いていると考えています。

ネタバラシによって再帰性を強めることが、バンドワゴンのように、単なる社会不安の連鎖を招くこともあります。

それでも知らぬが花より、知ってなお戦い続けることを選択する。これを是としたい。

 

▪️それでも

私は難しい物事の理解に、とても時間がかかります。ですから、難しいことは分からん!という気持ちは分かります。個人的には、上の主張を達成できずとも「無知の知」のように、自分が物を知らない人間だ、と言うことを出発点にできれば、大丈夫だと考えています。