スマイルドーナッツの雑記

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才能がないと言われて、傷ついたことがある人へ②

私のブログでもたびたび登場する「才能」という言葉ですが、抽象性が高いので人や状況によって定義が大きく異なります。

hrkbb914.hatenablog.com

では先天的な能力を才能と定義しましたが、今回は、「所属する集団との相性によって生じる現象」を才能と定義してお話します。

前回同様、皆さまに成長する楽しみを知って頂くことが目的です。

 


▪️成長マインドセット

モチベーション研究のパイオニアとして知られるスタンフォード大学キャロル・S・ドゥエック教授によると、マインドセットは「成長型」と「固定型」の2種類に大別されます。

引用:リンク切れ

▼成長マインドセット

「自分の能力は努力によって改善していくことができる」という考え方です。

▼固定マインドセット

「自分の才能、資質、性格は持って生まれたもので、変えることはできない」という考え方です。

 

基本的には、成長マインドセットの考え方がよいと考えます。理由は、今回の記事を一番下まで読めば理解できると思います!

 

マインドセットの補足

上記で固定マインドセットは、生まれ持ったものを変えることはできない、という考え方と記載されています。しかし、後天的なものであっても、スキャモンの成長曲線から導き出されるゴールデンエイジの考え方(簡単に言えば12歳までに運動神経がある程度確立するという考え方)のように、

「特定の期間に運動しなかったから、今からではもう遅いんだ」

という合理的な主張も、これだけだと固定マインドセットであると私は解釈します。ここに

「それでも、今からできることはある!」

と考えることが重要です。(ただし時間は有限なので、自分の納得のいく選択をする必要はありますね。)

 

 

▪️神経可塑性(ニューロプラスティシティ)

昔は人間の脳細胞は年と共に減ると考えられてきましたが、今では脳を使うことで特定の領域が増えるという神経可塑性(ニューロプラスティシティ)が確認されています

運転に関しても、成長を意識して練習することで、空間認知能力が向上することが確認されています。

自動車教習所の学科では、適正検査の結果から向き不向きを判断することを教えていますが、適正検査の結果は変化するということ『も』念頭に置く必要もあると、解説するべきだと主張します。

 

 

▪️学習転移について(前回のブログの補足)

才能がないといわれて、傷ついたことがある人へ① - スマイルドーナッツの雑記

では『成長の速さは、対象の物事に必要な、知識や経験に、大きく依存するということ』という言葉を使っていましたが、これを学習転移と言います。

 

学習転移には、先行する学習Aがその後の学習Bを促進するという“正の転移(positive transfer)”と、その逆に妨害となる“負の転移(negative transfer)”とがある。 それぞれの学習の間に同一の要素が多いか、類似性が高いほど転移の程度は高くなる。

引用:wiki 

 

 以下に学習転移の例を示します。

▼例① 正の転移(positive transfer)

英語を習得した人は、フランス語ドイツ語の習得が早くなる。これは学習の間に、同一の要素が多く、類似性が高いため。

▼例② 転移が薄い場合

チェスを習得した人の論理的思考能力に、相関性はなかった。チェス盤上ではパターンの認知が可能だが、チェス盤を離れるとパターンの対象外になる。

 

前回の記事で主張した、色んなことに挑戦すればするほど、成長が速くなるとはこの事です。成長マインドセットがいかに重要か、もう理解できたと思います!笑

 

 

▪️成長の速度を早める共通の要素

成長の速度を早める共通の要素は、ワーキングメモリであると報告されています。先天的な大きさで全てが決まると思っている方もいますが、環境因子によるメモリー圧迫やマルチタスク、外傷、認知特性の不一致など、例外が数多くあります。

またワーキングメモリーを強化することも可能と言われています。(これについては否定意見も散見されます。)

▼楽しいことをイメージ

楽しいことをイメージすることで、吻側前部帯状回の領域が拡大し、メモリの強化に繋がる可能性が示唆されています。

脳トレ

篠原菊紀・諏訪東京理科大学教授のデュアルタスク(運動作業と知的作業)、DAIGOさんのDNBアプリ、ストックホルムのターケル・クリングバーグの数字記憶(大脳皮質のドーパミンD1受容体の密度が変化)などが比較的有名だと思います。

 

また、強化とまではいかなくとも、マインドフルネスや外部記憶(メモ)などで解放することにより、メモリの圧迫を防ぐことはできます。

 

 

▪️WAISについて

WAISについては勉強不足なので、引き続き記事として書き起こす予定です。現状の見解を下記に記載します。

WAISは個人の能力を総合的に測定するものではなく、個人の情報処理能力の一部を測定するものです。IQの平均は100として、標準偏差は15です。約2/3程度の成人IQは85~115の範囲に含まれます。WAISの数値はちょっとした環境の違いで、簡単に10くらいは変動することもあることから、測定誤差が大きく、傾向をつかむ程度の検査であると考えます。

 

 

▪️目標達成のために楽しみましょう!

多くの人が思うことだと思いますが、ある程度の年まで色んなことやってると、適当に新しいことを始めるだけでも、学習転移における「同一の要素」と「類似性」は簡単に見つけることができます。

 

流動性知性依存の能力は年取ると鈍るかもしれませんが、結晶性知性依存の能力は、雪ダルマみたいにどんどん大きくなります。

 

また、マズロー欲求5段階仮説では、高次の欲求として「自分の能力を発揮して創造的な活動を行うこと」を自己実現欲と定義しました。

マズローは、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである。」と述べています。

 

現状の内側に目を向けて、自分の限界を設定してしまうと、成長そのものが伸び悩んでしまいます。大事なのは、現状の外側にある自己実現に目を向けて、自分なりの工夫と努力をすることです。