スマイルドーナッツの雑記

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カルトによって生じるテロリズムの思想は、便宜上、許してはいけない

私はカルトの専門家ではありませんが、オウムの地下鉄サリン事件による影響を大きく受けて育ち、その危険性を深く認識しています。今回はカルトの本質について、オウムの例を挙げながら、危ういところまで迫ります。

 

▪️宗教ビジネスのマーケティング

オウムを筆頭に新興宗教ブームとは、物質的に満たされた若者が、精神の充足を求めて入信していった側面があります。これらをマーケティングの観点から紐解きます。

▼商品を作ってから人を集めるマーケティング

従来のマーケティングでは、顕在化した悩みを解決する商品を作ることが基本でしたが、物質的に満たされた若者にとっては、その悩みを言語化することが難しかった。

▼人を集めてから商品を提案するマーケティング

このため新興宗教のビジネスにおいては、潜在的な心の声に響く理念により、言語化できない悩みの声を広い、共感によって若者を集めることに成功しました。これらは現代の情報社会のマーケティングの基本でもあります。

 

▪️オウム真理教は本気だった

オウムはサンスクリット語パーリ語の経典を翻訳し、学んでいたと聞きます。昔の討論番組を見る限り、麻原は経典を中心に、論理を展開しており、その知識は驚くほど深かった。この献身的な有り方こそが問題で、多くの高学歴の若者は洗脳された可能性があります。

現代の私たちから見れば、経典の身勝手な曲解は明らかですが、当時は情報も少ないため、曲解の指摘が難しかったと考えます。

 

▪️宗教ビジネスが差別的な輪廻転生を肯定することの危険性

釈迦は宗教界隈の中では比較的、科学における再現性を重視している思想を持っていると考えます。再現性がアートマン(真我)を雲隠れさせている可能性もありますが、今を生きる上では、差別主義の輪廻転生は否定するのが合理的です。

アートマン(真我)

ヴェーダの宗教に用いられ、意識の内側にある個の根元である。唯我説の主張とも言える。

ブラフマン

ビンドゥー教における宇宙の根本原理であり、支配者でもある。

ブラフマンと合一しない限り、アートマンは半永続的であると唱える説は有名です。アートマンバラモン教からビンドゥー教に踏襲された教えで、仏教の元となる釈迦はこれを部分的に否定していると解釈します。(厳密には意見が割れるところです。)

 

仏教における涅槃寂静の世界とは、輪廻転生から解き放たれた先にあるものです。あらゆる執着から解き放たれれば、生まれ変わる必要もないし、無となることができます。もちろんそこに愛はありません。

しかしオウムでは、麻原の魂は高いレベルであると発言していたように、差別的な輪廻転生による生まれ変わりを肯定していました。

差別的な輪廻転生の肯定は、宗教ビジネスにおいて、なくてはならない存在です。しかしこれがテロリズムのように、取り返しのつかない不幸を生んでいるという事実があります。

幸せになりたくない不幸な人のなかには、来世で幸せになるために、進んで不幸に進む人もいます。

原理主義過激派が、テロで特攻して命を落とすのは正義であり、来世で救われるためでもあります。

 

▪️洗脳に使われる催眠のシステム

様々なカルトで洗脳は行われておりますが、そこには共通した催眠術のシステムがあります。

本来は五感からの情報を意識に反映させるのにたいして、催眠術では、五感からの情報を遮断して記憶からの情報を意識に反映させます。五感からの情報遮断したら、催眠術者の声聞こえないと思う人も多いですが、『聴覚が機能している』と、『声が聞こえる』は違うものです。

例えば猫の声が聞こえたとします。日本人はこれを「ニャー」と表現しますが、

英語(米語)「mew(ミュー)」

韓国語「야옹(yaong/ヤオン)」

というように国によって異なります。実際には猫の鳴き声は、人の声として作り出された表現にすぎません。

これらの表現は、猫の声のような特定の音声情報がトリガーとなり、記憶の中にある音声情報を呼び出し、内部表現に出力しています。「ニャー」とは記憶の中にある言語表現なのです。

催眠の技術では、トリガーとなる言葉を選択し、被験者の記憶の中にある情報を呼び出します。また、単位時間辺りのトリガーの数を増やすことなどで、被験者を誘導して変性意識状態にすることができます。

 

洗脳のシステムは、様々な業界で意図的に隠されています。オウムを筆頭にこれらの技術を使い、弱者からの搾取が行われている現状は悲しいと感じます。

以下に洗脳に使われる危険性の高い情報を記載します。

▼自己催眠の万能性

自己催眠は実質的な瞑想状態とも言えます。マインドフルネス、禅、ヨガなどの技術には変性意識状態を作り出すものがあります。

エンタメの世界では、ゾーンという名の変性意識に入り込み、客もそのゾーンに巻き込むことは有名です。余談ですが、マジシャンにはこれらを戦略的に作り出す方もいます。

▼変性意識と薬物

ドーパミンのA8~16神経のなかで、報酬系の中枢であるA10神経は有名です。これによりドーパミンが放出され過ぎると、変性意識に似た分裂症状をこおすことがあります。

例えば覚せい剤(アンフェタミンメタンフェタミン)は、ドーパミンと類似の構造を持ちながら、再取り込み阻害という性質を持ちます。これらの薬物の投与により、変性意識を生み出すことができる可能性が高まるのは、容易に想像できるでしょう。

オウムは覚せい剤や幻覚剤のLSD(lysergic acid diethylamide)を使っていたという噂をききます。

 

▪️テロリズムの思想は便宜上許さないということ

カルトや原理主義によって生じるテロリズムは、多くの人を悲しませます。日本は法治国家であり、憲法20条でも信教の自由はありますが、テロリズムの思想は、便宜上、許してはいけません。